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ユニオン対策における団体交渉前までの事前準備のポイントについてご紹介します。
ユニオンとの団体交渉を行うにあたっては、念入りな事前準備が必要となります。ここでは、団体交渉前の事前準備の留意点について3つのポイントをご説明します。
(1)団体交渉の開催日について
(2)団体交渉の開催時刻について
(3)団体交渉の開催場所について
(1)団体交渉の開催日について
団体交渉の日時については、組合側からの書面で「20××年〇月〇日(火)、〇月△日(金)いずれも午後3時から」といった指定がなされ、指定日時が書面の到着後1週間~10日程度後に決められているケースが多いです。
会社側として、第1回目の団体交渉に向けて十分な検討と準備を行うにあたり、1週間~10日程度の期間では、非常に困難といえます。
日付については、誠実交渉の観点からも、会社側として十分な検討と準備を行えるだけの時間的な余裕を確保しつつ、組合指定の日付からあまり遅くならない日を2~3日決めて組合に提案し、双方合意の上で決定するのがベストです。
(2)団体交渉の開催時刻と交渉時間について
団体交渉の時刻については、会社に在籍している従業員がユニオンに加入した場合、就業時間を避けて設定するのがベストです。就業時間中とした場合、その時間に対する賃金の支払いをどうするかで問題となることが予想されるためです。また、退職者がユニオンに加入した場合については、賃金支払いの問題が生ずることはないため、就業時間で設定しても、特に支障が生ずることはないと考えられます。
団体交渉の交渉時間については、2時間を目安に設定するのがベストです。団体交渉議題の内容にもよりますが、1時間程度ではお互いの主張を確認するにとどまる程度で終了してしまうこともあるためか、多くの場合ユニオン側から時間が短いとして、見直しを求められます。
逆に3時間、4時間あるいはそれ以上の長時間にわたる交渉となれば、疲れから判断ミス等を生じやすくなるなど、会社として実りある団体交渉を行うことが困難となることが考えられます。
話し合いを行うための時間的な長さとしては、2時間程度が理想的であり、当事務所が過去に関与した事案のほとんどが2時間としています。
(3)団体交渉の場所について
団体交渉の場所について、組合から「当組合事務所ないし貴社会議室」といった指定がなされるケースが多いです。しかし、開催場所としてはどちらも避けるのが賢明と考えます。
その理由は、団体交渉を行った経験もなく、専門家のサポートもない状態で、会社側交渉担当者がユニオンの事務所で団体交渉を行うことは、精神的なプレッシャーが大変重くのしかかるため、判断ミス等を生じやすくなるなど、円滑な交渉を行うことが困難となることが考えられます。
加えて、組合事務所又は会社側会議室どちらを使うとしても、時間の許すかぎり団体交渉を行うことを組合側から要求された場合に、エンドレスになる可能性があり、長時間にわたる交渉で判断ミス等を生じやすくなるなど、会社として実りある団体交渉を行うことが困難となることが考えられます。
こうしたことから、団体交渉を行う場所の設定にあたっては、できる限り費用負担の少ない社外の会議室(例えば市区町村の運営する公共施設の会議室など)を会社側が確保し、これをユニオン側に伝え、双方合意の上で決定するのがベストです。